#01「死の薬」
(『マンガ on ウェブ3号』掲載)

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【あらすじ】
2074年東京。死後、遺体の脳から人間の精神だけを電子化し永続させる「エルソナ技術」が実用化され、人々は不老不死を現実のものにしていた。電子化された人々は、肉体を持たない電子人格「エルソナ」として、ネット上の仮想領域「ハーヴ」で永遠無償の楽園生活を約束された。しかし、彼らの中には、各々の理由から楽園生活を離れ、機械の身体を借りて現実界へ戻らねばならない者もいた。現実界へ戻った彼らを、人々は「帰俗者(きぞくしゃ)」と呼んだ。
現実世界では、失業率の悪化や自殺者の増加とともに、「エスコート」と呼ばれる安楽死薬が蔓延、人々は生身で生きる意味を見失い始めていた。「自分も早くエルソナになって、ハーヴで楽に暮らしたい・・・・・」そうした願望は、”エルソナシンドローム”と呼ばれた。
多摩北署の警察官である太剣(タツルギ)シンヤもまた、こうした世の中で、自らの生きる意味を見失いつつ生きる一人だった。「生きてることに意味なんてあんのかよ・・・」 一人の帰俗者を前に、タツルギは自問する。しかし、高校生の妹アキが、失恋を苦に突如エスコート自殺を図ろうとした時、タツルギの身体は無意識に妹の命を救うべく走り出していた。生きることに絶望した妹を、果たしてタツルギは救えるのか・・・・
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